2021年12月19日日曜日

國之家



 【場所】
千葉県成田市仲町390

【味】
関東風の蒲焼であるが、ふっくら感は控えめで、適度な食感を残してしっかりと焼き上げられている。甘目のタレが染み込んだ焦げ目の香ばしさが食欲をそそる。脂の乗った身からは川魚の風味も感じられ、中々良質なうなぎに当たった模様。ご飯が熱々であったことと、水気が多くベチャついていたのが残念。


【お店】
成田山参道も年末ということで人出は少なめ。しかし、川豊、菊屋、近江屋といったうなぎ激戦地の昼時は、相変わらず多くの人で賑わっていた。
國之家は、この一角からほんの数軒離れているだけだが、人出は大分落ち着いていて、ゆっくりと食事ができる。参道のお店としては珍しく、朝9時から夜の9時頃までと営業時間がとても長い。黒地に金文字の立派な看板が目印。

【値段】
上うな重4000円(税込)
(直近訪問日:2021.12.19)

【おすすめ度】
★★★☆☆




2021年11月7日日曜日

川昌本店

【場所】
埼玉県北葛飾郡松伏町金杉1511-2

【味】
こちらの鰻重は、関東風と関西風、蒲焼と白焼など多彩な焼き方を自由に選ぶことができる。せっかくなので、これら全てを一度に味わうことのできる「白東西重」を注文。
旨味とコクの関東風、サクッと香ばしい関西風、さっぱりとした上質な風味の白焼きと、それぞれの美味しさが堪能できる。
うな丼をトロトロの半熟卵で閉じた看板メニュー「金のうな丼」も風味豊かで美味しいが、蒲焼好きとしては、蒲焼はそのまま蒲焼として楽しみたいところ。

【お店】
田畑が広がる広域農道沿いに忽然と現れる朽ち果てた倉庫のような建物は、古い醤油蔵を移築したとのこと。中に入ると一転、洒落た古民家風の佇まい。照明を抑えた部屋にはジャズが流れていて モダンな雰囲気を醸し出している。
実はこちらは、テレビや雑誌等で何度も紹介されている有名なお店。芸能人のサインがたくさん飾られている。「金のうな丼」をはじめ、うなぎの燻製や刺身、うなぎの昆布締めなど他ではお目にかかれない創作料理が充実している。

【値段】
白東西重 極 6930円(税込)
金のうな丼 2420円(税込)
(直近訪問日:2021.11.7)

【おすすめ度】
★★★★☆












2021年10月26日火曜日

尾花


【場所】
東京都荒川区南千住5-33-1

【味】
注文してから待つ事1時間。蓋を開けると焼きムラのない見事な飴色が視界に飛び込む。
身は極めて柔らかく、ほんのりと炭火の香ばしさが広がった後、口中でほどけて脂の甘みと旨味の余韻だけが残る。タレは老舗にしては珍しくやや甘め。全体的にあっさりとまとまっているが、繊細で奥深さが感じられる。
値段と待ち時間に見合うかどうかは別にして、手の込んだとても美味しい蒲焼。

【お店】
〝東の横綱〟と称され、圧倒的な人気を誇る名店。その味は日本一(つまり世界一)と言う声も少なくない。
自分には敷居が高く、運が悪ければ入店するだけでも数時間並ばなければならないことや、南千住という微妙な立地から、これまで訪問を躊躇していた。しかし、新型コロナ第5波が収束しつつある今、これまでの厄を払うためにと自分に言い聞かせて意を決し初訪問。
開店1時間前に到着するが、既に5組が並んでいた。開店時の待人は20人位だろうか。いつもよりは大分空いている模様。客層は老若男女、団体から一人客と様々。
外観は神社仏閣のような重厚な佇まい。実際に敷地内には立派なお稲荷さんが祀られており、凛とした空気が流れている。
室内は十分過ぎるほど座席間隔が確保されており、綺麗に磨き上げられた廊下とほのかに漂うお香が老舗の矜持を感じさせる。

【値段】
鰻重6930円(税込)
焼鳥(2本)1320円(税込)
(直近訪問日:2020.10.26)

【おすすめ度】
★★★★★


2021年10月20日水曜日

ひょうたん屋 1丁目店

 【場所】
東京都中央区銀座1-13-9

【味】
関西風の地焼き蒲焼。あらかじめ串に刺しておいたうなぎを蒸さずに焼き上げるので、調理時間は15分程。忙しいビジネス客が多いためか、注文を受けてから捌いている時間はないのだと勝手に納得。
蒸さない関西風ではあるが、弱めの炭火でじっくりと焼いているためか、サクッとした食感は控えめ。代わりにこれまで経験したことのない引き締まった弾力が特徴的。醤油が勝った辛口のタレを纏った身を頬張ると、脂の甘みとコクが口中に広がるとても美味しい蒲焼。

【お店】
カウンターを中心とした小さく気取らないお店。戦後間もない1946年に創業したとのこと。
カウンター7席のほか奥にはテーブル席がある模様。店内は極めて狭く、カウンターに座れば焼き場は目の前。至近距離で蒲焼を焼いている様子を見る事ができる。
メニューはうな重とお新香のみ。長居はせず、サッと食べてサッと帰る粋な江戸っ子には丁度良いと思われる。そのためか一人客、特に女性の姿も多く見られた。
ちなみに6丁目店は、もう少し広くてカジュアル。一品料理も充実しているので、目的と気分によって使い分けるのも良いと思う。

【値段】
特上4300円(税込)
(直近訪問日:2021.10.20)

【おすすめ度】
★★★★☆



2021年8月31日火曜日

そめや (2)

 【場所】
千葉県市川市相之川1-26-1

【味】
非常事態宣言下で遠出を控えているため、近隣のお店に7年振りの訪問。前回は全体的にまったりと淡白な印象であったが、紀州備長炭で焼き上げられた身は香ばしく、柔らかながらも適度な歯応えが感じられる。タレはさっぱりだがキレが良く、うなぎ本来の甘味を引き立てている。
お椀から溢れんばかりのアサリの味噌汁は当時と変わりなく、大満足な一杯。

【お店】
地方の魚屋のような外観。中に入ると 店主が自ら描いたという個性的な絵画が多数飾られている。座敷、テーブル席のほかカウンター席もあり、一人でも多人数でも利用可。交通の便は悪いが、店の裏に5〜6台分の駐車場がある。

【値段】
3740円(税込)
直近訪問日 2021.08.31

【おすすめ度】
★★★☆☆

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そめや 2014年7月




2021年5月4日火曜日

鰻割烹 新川


【場所】
千葉県流山市西深井825

【味】
注文したのは昼膳会席。九州産鰻重に前菜、天麩羅、デザート等が付く。ちなみにこちらでは、九州産養殖うなぎのほか、究極の養殖ブランドうなぎ「坂東太郎」も扱っている。
うなぎはやや硬めでご飯の水気が多いのは残念だが、旨味が程よく広がり味のムラもない。素朴で昔懐かしさを感じさせる蒲焼。タレは、流山が誇る本みりんとお隣の野田の醤油が融合して生み出されたものと思われ、甘目ながらもキレが良く、うなぎ本来の味を引き立てている。

【お店】
利根運河畔の木々に囲まれたお屋敷風のお店。創業は明治25年でもうじき130年を迎える老舗。広々とした敷地には、このお店のほか、洋食の「ブラッスリーしんかわ」やガーデンサロンがあり、どことなく別荘地の風情を醸し出している。
予約をしていないにもかかわらず丁寧な出迎えを受けて2階に案内される。落ち着いたモダンな和室と調度品が格式の高さを感じさせる。接客は素晴らしく、会席を頼んでいない子どもにもデザートと紅茶をサービスしてくれた。
コロナ禍でどこにも行けないゴールデンウィークであったが、県内近場ながら非日常感と観光気分を味わう事ができた。

【値段】
昼膳会席5500円(税別)
(直近訪問日:2021.05.04)

【おすすめ度】
★★★★☆







2021年4月16日金曜日

にょろ助 銀座

【場所】
東京都中央区銀座6-12-7

【味】
これから捌く生きたうなぎを木箱に入れて見せてくれる。そして約30分後に運ばれてきたお重には、蒲焼と白焼がそれぞれ一尾ずつ重なり合い、しかもお重から大きくはみ出している。この超豪華鰻重が、銀座という地にもかかわらず4500(税別)で提供されているのは、まさに令和の奇跡。
味も本格的で、蒸さない関西風の地焼きではあるが、適度に歯応えを残しつつ充分に柔らかい。蒲焼は甘めのタレが身の焦げ目と絡み合い、力強い旨味と野性味を醸し出し、白焼では脂が乗ったねっとりとした食感と鼻に抜ける備長炭の香ばしさを堪能できる。
そして特筆すべきは生山椒。味噌と和えているとの事だが、うなぎとの相性が抜群なだけではなく、これだけでもお酒の肴になる優れ物。
見て良し、食べて良しの贅沢極まりないうな重。

【お店】
にょろ助は、紅虎餃子房を全国に展開する際コーポレーションが運営しているうなぎ屋で、銀座のほか赤坂、渋谷、浅草等に店舗を構える。店内は薄暗く、半個室が中心でゆっくりとくつろいで食事を楽しむことができる。
店員さんも親切で、一品料理をはじめうなぎの美味しい食べ方を丁寧に説明してくれる。
現在は、コロナ禍の特別価格で絶品うな重を食べることができる。

【値段】
鰻重極上(イ)4500円(税別)
(直近訪問日:2021.04.16)

【おすすめ度】
★★★★★ 

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2021年3月20日土曜日

レストハウスとみい


【場所】

千葉県印西市吉高2215-3

【味】
うなぎは大きく身厚でご飯はぎっしり。とても食べ応えのあるうな重。
分厚い身を頬張ると、皮はパリッと焼かれていて香ばしく、身は柔らかで、ふっくらながらも適度な歯応えを残している。大振りのうなぎだが、コクと旨味も充分に閉じ込められていて、甘く濃厚なタレとの相性が良い。お刺身も付いてボリューム満点なのにペロッと完食できる美味しい蒲焼。


【お店】
宗吾霊堂を起点とする、いわゆる「うなぎ街道」を越えて印西市に入り、さらに3〜4km程のところにあるうなぎ屋。川魚や天ぷらなども扱っており「レストハウス」と称しているが、外壁の「うなぎ」の文字と入口ののぼり、注文を受けてからうなぎを捌くという徹底ぶりから、紛れもなくここはうなぎ屋である。店内は昭和のドライブインといった雰囲気。女将さんが元気に駆け回っていて、賑やかで楽しいお店。

【値段】
うな重2900円(税込)
(直近訪問日:2021.03.20)

【おすすめ度】
★★★★☆




2021年3月10日水曜日

喜代川


 【場所】
東京都中央区日本橋小網町10-5

【味】
開店時間に予約を入れていたため、待ち時間わずか10分程で、うっすらと焦げ目をつけながら飴色に焼き上げられた蒲焼が登場。口に含むと川魚の爽やな香ばしさが広がる。とろけるように柔らかい身にほんのりと残された脂が、見た目よりも醤油が強くキリッとしたタレと調和して、噛むほどに旨味とコクが深まっていく。奇をてらわない正統派の江戸蒲焼であるが、その奥に秘められた伝統と職人技が感じられる上品で美味しい蒲焼。

【お店】
日本橋のオフィス街の路地裏に佇む 築90年の風情溢れる建物は登録有形文化財に指定されている。創業は明治7年とのことで、もうじき150年を迎える格式の高い老舗である。
一階は気軽にうなぎを食べられるテーブル席。4人テーブル3卓と2人テーブル1卓と非常にコンパクト。二階は寛ぎながらコース料理が堪能できる個室となっており、渡辺淳一の「化身」の舞台となったことでも知られている。

【値段】うな重竹 4500円(税別)
(直近訪問日:2021.03.10)

【おすすめ度】
★★★★★




2021年3月3日水曜日

うなぎ四代目菊川 ムスブ田町店


【場所】
東京都港区芝浦3-1-1 田町ステーションタワーN1F

【味】
注文したのは評判の「蒲焼一本重」。うなぎ一本をそのまま使った斬新かつインパクト抜群な蒲焼。調理法は名古屋流で、関西と同じ腹開きの地焼き。
信楽焼のお重は大きくて重いため、お椀によそっていただく。身は柔らかだが皮目は厚く硬い。箸では簡単に切れない硬さだが口に入れてびっくり。とても香ばしく、これ程までのサクッと感は今まで味わった事がない。身厚なうなぎを強力な備長炭で一気に焼き上げたのがよくわかる。身に閉じ込められた旨味と甘いタレが硬めのご飯と相まってとても美味しい。山椒は高知の仁淀川山椒を使用し、濃厚な味付けの蒲焼を爽やかに和らげてくれる。

【お店】
東京の「五代目野田岩」や「きくかわ」と混同しそうな店名だが、こちらは創業90年の老舗卸問屋が経営し、とことん一本鰻にこだわる名古屋の名店。2020年8月に東京に初進出した。店内は、高級感が漂う落ち着いた雰囲気。カウンター席、テーブル席に加えてソファー席や個室もある。ガラス越しに焼き場と厨房が見渡せる。

【値段】蒲焼一本重4980円(税込)
(直近訪問日:2021.03.03)

【おすすめ度】
★★★★★