2023年11月12日日曜日

小柳

 【場所】
東京都台東区浅草1-29-11

【味】
香ばしく焼き上げられた身は、箸を当てるだけでスッと切れる程柔らかい。一口運んだ瞬間は、あっさりとした味付けに感じるが、噛む程にうなぎ本来の旨味と甘味がじわりと広がり、コクのある深い味わいに変わっていく。うなぎを知り尽くした職人が長年培ってきた焼きの技術の賜物と思われる。
後味も素晴らしく、この豊かな余韻を薄れさせたくなくて食後のお茶を飲むのもためらわれるほど。
老舗有名店にもかかわらずコストパフォーマンスにも優れた絶品蒲焼。


【お店】

賑やかな仲見世通りの西に平行する浅草中央通りのお店。入口の松と柳の植え込みが出迎えてくれる。創業は大正15年(1926年)でもうじき一世紀を迎える老舗。場所柄から多くの大御所歌舞伎役者も通うという有名店。
注文から10分ほどで提供されるが、来客が絶えないことから、作り置きではなく、見込みで次々と捌き、焼き上げているものと推察される。
休日は行列必至だが、1階のテーブル、カウンター席に加え、2階には座席席もあり、待ち時間はそれほどでもないと思われる。。

【値段】
鰻重松 3850円(税込)
(直近訪問日 2023.11.12)

【おすすめ度】
★★★★★






2023年8月30日水曜日

美濃金 神田本店

【場所】
東京都千代田区外神田6-14-3

【味】
ひつまぶしが推しのようだが、初めてのお店なのでまずはうな丼を注文。身がとても厚く脂も程よく乗った良質なうなぎは愛知一色産とのこと。「美濃地焼き」という手法でパリッと香ばしく焼かれ、甘く濃厚なタレを纏った身は野生味に溢れ、硬めに炊かれた「美濃ハツシモ米」とともに、瞬く間に口中に消えて行く。岐阜県産にこだわったとても美味しい蒲焼。うな丼には香の物とお吸物のほか玉子焼きとうざくが付いてくる。

【お店】
木曽三川の清流に恵まれた岐阜の名店「美濃金」の東京初進出店。
2022年10月にオープンしたばかりの店内は高級感漂う落ち着いた雰囲気。カウンター4席、テーブル18席、半個室24席と丁度良い広さ。隣席が気にならないよう配置されている。
平日のオフィス街という事もあり、開店時間の11時に入店し一番客。一人で4人席を使わせてもらう。
接客は素晴らしく、食前に冷たいほうじ茶、食後には温かい岐阜・白川の煎茶が出される。
退店時には、明るく愛想の良い店員さんが店の外にまで出て見送りをしてくれた。

【値段】

うな丼上 5150円(税込)
(直近訪問日 2023.8.30)

【おすすめ度】
★★★★☆





2023年8月27日日曜日

成毛家

【場所】
千葉県成田市幸町395

【味】
タレ焼と白焼の蒲焼を同時に楽しめる成田初の元祖あいのせうな重が看板メニューのお店。
身はやや硬めで弾力が感じられるが、口に入れればふんわりと口溶けは良い。タレ焼は辛口の醤油が効いたワイルドな味付け。一方白焼は脂を適度に残しながらもあっさりと焼き上げられている。一度で二度美味しい蒲焼。

【お店】
成田山表参道を少し外れた西参道沿い。喧騒を離れ、広い店内でゆったりと食事ができる。一階にテーブルと小上がり席、二階には60畳の大広間を擁する。隣は旅館の成毛家。
うな重を中心におでんや蕎麦、各種丼物も扱う。
創業150年のこの老舗は、現在の成田市長 小泉一成さんの御実家とのこと。店員さんが皆親切で感じが良いのもうなずける。

【値段】

あいのせうな重 3800円(税込)
(直近訪問日 2023.8.27)

【おすすめ度】
★★★☆☆




2023年8月23日水曜日

川豊別館2

 【場所】
千葉県成田市東町113-1

【味】
愛知一色産のうなぎを適度に脂を残して、柔らかく、そして香ばしく焼き上げている。
使用しているうなぎも調理法も本店同様との事だが、やや野生味に欠け、その分上品に仕上がっている気がしてならない。店の雰囲気や環境が味に大きく影響していることがわかる。

【お店】
成田で最も人気のあるお店の
一つ「川豊」の別館。別館とは言え、約1000坪の広大な敷地に建てられた贅沢な平屋の数寄屋造りの店舗、そして広い庭園が荘厳さを醸し出している。テーブルと小上がりの一般席の奥の離れには個室の特別室と大広間があり、様々な用途で利用することができる。
煙が立ち込め、活気あふれる本店とは対照的にゆったり落ち着いて料理を楽しめる。

【値段】

上うな重(一尾) 3900円 税込
(直近訪問日 2023.8.22)

【おすすめ度】
★★★★☆

【過去の投稿】
川豊西口館(2020.3.21)
川豊別館(2018.12.9)
川豊本店(2014.12.30)




2023年8月4日金曜日

ひろめの鰻処 まん

【場所】
高知県高知市帯屋町2丁目3-1 ひろめ市場内

【味】
高知県内の清流で採れたシラスウナギを養殖して使用しているとのこと。
注文した横綱(白黒)は、蒲焼一尾を使用した鰻重に白焼一尾が添えられた超贅沢仕様。
鰻重は甘いタレ、白焼は塩か山葵醬油でいただく。蒸さずに地焼きした身は香ばしく、噛む度にサクッサクッと音まで聞こえる程の食感とともに脂の旨みが口中に広がる。山椒は言わずと知れた地元高知が誇る仁淀川山椒を使用。深みのある辛みが蒲焼の風味を引き立てる。

【お店】
高知と言えばカツオのイメージが強いが、四万十川や仁淀川など日本屈指の清流を擁し、古くからうなぎ料理も有名である。
ひろめ市場は高知市内の観光名所のひとつ。市場というよりは屋台街のようで土佐の郷土料理を扱う飲食店や土産物、雑貨店等が軒を連ね、とても多くの人で賑わっている。
席は市場内の自由席。店頭で注文をすると席まで運んできてくれる。


【値段】
横綱鰻重(白黒)  4800円(税込)
(直近訪問日:2023.8.4)

【おすすめ度】
★★★★☆



2023年7月12日水曜日

㐂助

 【場所】
千葉県市川市行徳駅前1-17-7

【味】
厚い身はとても柔らかく、香ばしく焼き上げられている。高知の海洋深層水を使用したという甘目のタレの馴染みも良い。ややあっさり系だが、お店が推奨する山葵とネギで味変することで最後まで美味しくいただく事ができる。
品質の割に価格も驚く程安く 並は千円台。近年、高い・入りづらいといったうなぎ屋のイメージを覆すカジュアルなお店が増えている。蒲焼好きとしては選択肢が増えることは嬉しい限り。

【お店】
2023年6月30日にオープン。白木を基調とした、とてもシンプルで綺麗なお店。4人掛けと2人掛けのテーブル席がそれぞれ2卓ずつとカウンター6席。
うなぎ屋と言えば「無口な頑固親父と落ち着いた女将さん」という勝手なイメージがあるが、この日の店員さんは3人とも若い女性。いずれも金髪で、さながら美容院のスタッフのよう。値段も安くクレジットカードや電子マネーも使用OK。気軽に立ち寄れる美味しいお店。

【値段】
特上2800円(税込)
(直近訪問日:2023.7.12)

【おすすめ度】
★★★★☆




2023年5月3日水曜日

割烹蒲焼わかな

【場所】
神奈川県横浜市中区港町5-20

【味】
備長炭でじっくりと焼かれた身は香ばしく、箸を軽く当てるだけでスッと切れるほど柔らかい。程よく残された脂の旨みと醤油が効いた辛口のタレとの馴染みもよい。奇をてらわない正統派の美味しい蒲焼。
また、こちらのうな丼で特筆すべきは超大盛りの熱々ご飯。ご飯には強いこだわりがあり、注文を受けてから一つひとつ炊くとのこと。あらかじめ温められていた丼に 茶碗2杯半分の熱々ご飯が盛られている。とても美味しいご飯であるが、この量を完食するには少しばかり覚悟が必要。

【お店】
創業は今から150年以上前の明治5年の老舗。5階建てのビルの2階と3階がお店で、3階は会席料理を中心とした御座敷、2階はテーブル席でうな丼を中心に焼鳥丼、親子丼等も扱っている。開店前で既に20組ほど並んでいたが、客席数も多いためすぐに店内に案内される。丑の日など繁忙期には1日に2000食もの鰻丼が出るという超人気店。
こちらから何も言わなくても、子どもにはお茶ではなくお冷が出され、スプーンも用意されるなど細やかな気遣いが出来る素晴らしいお店。

【値段】
うな丼3900円(税込)
(直近訪問日:2023.5.3)

【おすすめ度】
★★★★★



2023年1月23日月曜日

印旛沼漁協直営レストラン水産センター 2


 【場所】
千葉県成田市北須賀1622-2

【味】
利根川を上ってきた天然シラスウナギを一年間かけ井戸水で育てたという他ではお目にかかれない貴重な鰻。7年半ぶりの訪問だったが、美味しさが数段アップしていることに驚かされる。
皮目はサクッと焼きあがっていて、とても香ばしいのは昔と同様。身は柔らかながらも適度な歯応えを残し、滲み出る脂の甘さが、芳醇な旨味に変わり 口いっぱいに広がっていく。
最後の一口まで飽きずに堪能できるストレートに美味しい蒲焼。

【お店】
印旛沼漁協直営の鰻専門店。シラスウナギの収穫から養殖そして調理までを一体的に行なっている全国的にも非常にユニークなお店。
外観はまさしく昭和のドライブイン。駐車場も店内も広々。養殖池や周囲の長閑な風景も楽しめる。 
ちなみに鰻価格の高騰に加え、物価高騰も著しい現在だが、7年半前に比べて特上の価格が200円下がっていた。美味しい鰻を作るだけでなく、経営努力も怠らない素晴らしいお店。

【値段】
特上3800円(税込)
(直近訪問日:2023.1.23)

【おすすめ度】
★★★★★

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