2021年10月26日火曜日

尾花


【場所】
東京都荒川区南千住5-33-1

【味】
注文してから待つ事1時間。蓋を開けると焼きムラのない見事な飴色が視界に飛び込む。
身は極めて柔らかく、ほんのりと炭火の香ばしさが広がった後、口中でほどけて脂の甘みと旨味の余韻だけが残る。タレは老舗にしては珍しくやや甘め。全体的にあっさりとまとまっているが、繊細で奥深さが感じられる。
値段と待ち時間に見合うかどうかは別にして、手の込んだとても美味しい蒲焼。

【お店】
〝東の横綱〟と称され、圧倒的な人気を誇る名店。その味は日本一(つまり世界一)と言う声も少なくない。
自分には敷居が高く、運が悪ければ入店するだけでも数時間並ばなければならないことや、南千住という微妙な立地から、これまで訪問を躊躇していた。しかし、新型コロナ第5波が収束しつつある今、これまでの厄を払うためにと自分に言い聞かせて意を決し初訪問。
開店1時間前に到着するが、既に5組が並んでいた。開店時の待人は20人位だろうか。いつもよりは大分空いている模様。客層は老若男女、団体から一人客と様々。
外観は神社仏閣のような重厚な佇まい。実際に敷地内には立派なお稲荷さんが祀られており、凛とした空気が流れている。
室内は十分過ぎるほど座席間隔が確保されており、綺麗に磨き上げられた廊下とほのかに漂うお香が老舗の矜持を感じさせる。

【値段】
鰻重6930円(税込)
焼鳥(2本)1320円(税込)
(直近訪問日:2020.10.26)

【おすすめ度】
★★★★★


2021年10月20日水曜日

ひょうたん屋 1丁目店

 【場所】
東京都中央区銀座1-13-9

【味】
関西風の地焼き蒲焼。あらかじめ串に刺しておいたうなぎを蒸さずに焼き上げるので、調理時間は15分程。忙しいビジネス客が多いためか、注文を受けてから捌いている時間はないのだと勝手に納得。
蒸さない関西風ではあるが、弱めの炭火でじっくりと焼いているためか、サクッとした食感は控えめ。代わりにこれまで経験したことのない引き締まった弾力が特徴的。醤油が勝った辛口のタレを纏った身を頬張ると、脂の甘みとコクが口中に広がるとても美味しい蒲焼。

【お店】
カウンターを中心とした小さく気取らないお店。戦後間もない1946年に創業したとのこと。
カウンター7席のほか奥にはテーブル席がある模様。店内は極めて狭く、カウンターに座れば焼き場は目の前。至近距離で蒲焼を焼いている様子を見る事ができる。
メニューはうな重とお新香のみ。長居はせず、サッと食べてサッと帰る粋な江戸っ子には丁度良いと思われる。そのためか一人客、特に女性の姿も多く見られた。
ちなみに6丁目店は、もう少し広くてカジュアル。一品料理も充実しているので、目的と気分によって使い分けるのも良いと思う。

【値段】
特上4300円(税込)
(直近訪問日:2021.10.20)

【おすすめ度】
★★★★☆