2025年3月7日金曜日

うなぎの寝床

【場所】
千葉県千葉市中央区新田町25-1

【味】
特上は肉厚うなぎが丸々2尾分。その圧倒的なビジュアルに目が眩む。本日のうなぎは鹿児島県産とのこと。甘く濃厚なタレをたっぷりと纏った身はふっくら柔らか。噛むほどに炭焼の香ばしさと溶け出す脂の旨味が口内に広がる。多古米にもタレが良く馴染んでいて食べ応えは充分。
コスパに優れた野性味溢れる美味しい蒲焼。

【お店】
千葉駅と千葉みなと駅の中間、大通りからは少し外れた閑静な住宅街に佇む新しいお店。オープンは2023年9月とのことで、立派なケヤキの一枚板看板が目印。元々は寿司屋だったそうで、L字のカウンターが8席、座敷席と個室も備えており店名とは異なりまあまあの広さ。
うなぎ料理の他に刺身や天ぷら等の定食もある。お酒や一品料理も充実していて居酒屋としても利用できる。

【値段】 
うな重特上 5500円(税込)
(直近訪問日 2025.03.07)

【おすすめ度】
★★★★☆




2025年2月23日日曜日

川千家(千葉県旭市)

【場所】
千葉県旭市二3346-1


【味】
6年半ぶりの訪問だが美味しさに変わりはない。
ふっくらしていて口の中でとろける柔らかさと きめ細やかさは、まさしく葛飾柴又「川千家」の蒲焼。そして脂は多めで濃厚であるにもかかわらず不思議と後味あっさりなところは「坂東太郎」の特徴なのだろうか。
ご飯は地元千葉県が誇る多古米を使用。粒が立っていて蒲焼とは好相性。
ちなみに蒸さない地焼も選択できる。こちらも地焼きとは思えない程柔らかく、程よい香ばしさも同時に堪能することができる。

【お店】
店内はカウンター5席とテーブル4つ。田畑に囲まれた田舎の鰻屋といった風情のあるこのお店は、あの東京都葛飾区柴又の老舗「川千家」の暖簾分け店であり、なおかつ究極のブランドうなぎ「坂東太郎」を使用しているすごいお店である。
しかも坂東太郎が1尾で3150円という驚愕の安さ。6年半前からほとんど値段が変わっておらず、並々ならぬ営業努力の後が窺える。
接客も丁寧かつ親切で気持ちの良いお店。

【値段】 
うな重特上(写真)  4350円(税込)
(直近訪問日 2025.02.23)

【おすすめ度】
★★★★★





2025年2月19日水曜日

勝花

 【場所】
千葉県浦安市猫実1-3-33

【味】
これまでに何度となく訪れているが、決して飽きる事なく 行く度に新たな感動を与えてくれる。
身はふわっと柔らかいが、焼きが浅い訳ではなく 丁寧にしっかりと焼き上げられている。この絶妙な焼き加減によって、良質な脂を閉じ込め、濃厚で深みのある旨味を引出している。それでいてクドさを全く感じさせないのは、まさしく職人の技の結晶。
うなぎの素材、焼き加減、タレの味付けなど全てが高いレベルでまとまっていて 非の打ち所がない完璧な蒲焼。

【お店】
地元という事もあり、個人的に最も多くの蒲焼を食べているお店。年に2〜3回程度だが、年数を重ねているので結構な回数になっていることだろう。
創業は昭和50年とのこと。店内は数年前にリニューアルされて綺麗で広々。かつてはドブ川のようであった目の前の境川も綺麗に整備され、ロケーションも悪くない。

【値段】 

特上4300円
(直近訪問日 2025.02.19)

【おすすめ度】
★★★★★





2025年2月1日土曜日

赤坂ふきぬき 成田店

【場所】
千葉県成田市仲町361

【味】
待つこと30分。蓋を開けると琥珀色の美しい照りを纏った1尾半の蒲焼が、ご飯を覆い隠している。
炭火で丁寧に焼き上げられた身は肉厚でふっくら香ばしい。脂も良く乗っているが後味は軽やか。
タレは甘からず辛からず、うなぎの旨味が丁度良い具合に感じられる。ご飯も粒立ちが良く私好み。
バランスの良いとても美味しい蒲焼。

【お店】
創業100年余の赤坂の名店が、うなぎ超激戦地の成田山参道 それも屈指の人気店「駿河屋」の真正面に新店舗をオープン。
店内は4人掛けテーブル席2卓とカウンター7席。この辺りのお店としてはかなり小規模だが、空間を広く取り、銘木の一枚板のカウンターと間接照明、琴の音が高級感と厳かな空気を醸し出している。
大箱で古風な大衆店が多い周囲の老舗とは差別化が図られている。この地域が相乗効果により「うなぎの街」として更に発展することを期待したい。
ちなみに「ふきぬき」は「富貴貫」と書き、高貴でそれを貫くという意味だそうだ。

【値段】 
うな重松 6700円(税込)
(直近訪問日 2025.02.01)

【おすすめ度】
★★★★☆




2025年1月4日土曜日

つるや

【場所】
東京都台東区浅草1-33-2

【味】
注文してから15分程度で配膳。蒲焼にしては早過ぎだが、お客も多く見込みで調理していると思われる。身は柔らかく脂も乗っていてトロッとした食感。タレはあっさりで川魚の旨みと香りを堪能することができる。ご飯は少なめ。
美味しい蒲焼は数多くあるが、「こういうのでいいんだ」と思わせる奇をてらわないシンプルな正統派の江戸前流蒲焼。

【お店】
松屋浅草から程近く、賑やかな新仲店通りの入口付近に軒を構える うなぎと天ぷらのお店。店頭の食品サンプルのショーケースが昭和を感じさせる。創業90余年、浅草うまいもの会加盟の老舗。小説家の永井荷風が通ったお店としても知られている。
1階2階はテーブル席と小座敷、3階は座敷となっており、少人数から団体まで幅広く利用できる。

【値段】 

上鰻重 5280円(税込)
(直近訪問日 2025.01.05)

【おすすめ度】
★★★★★




2024年11月20日水曜日

躻(うつけ)

【場所】
東京都中央区日本橋横山町1-4

【味】
うな重マウンテンを注文。溢れんばかりに積み上げられたうなぎを、どこからどう食べて良いのか途方に暮れる。もはや蓋としての役割を果たしていない重箱の蓋に一旦うなぎを退避してから、4枚の半身を1枚ずつ頂くことにする。
愛知県の鰻問屋から直送されてきたうなぎを蒸さずに地焼きするのだが、その工程が独特。まず捌いたうなぎ一尾をそのまま焼いて重ね置き、注文に合わせて半分にカットしてから串を打って再び焼き上げる。効率を重視した流れ作業だが出来は悪くない。
若干焦げの苦味が気になるが、サクッと香ばしく、脂も程よく乗っていて旨味も充分。きめ細やかさは感じられないが、豪快に蒲焼を食い尽くしたい時にはおススメの一品。

【お店】
周囲の景観に溶け込んだやや古めのビルの1階と2階がお店。平日の開店直前で待ち客は10人程と中々の人気店。
店内はコンクリート打ちっぱなしの素朴な装い。カウンター席中心の1席はほとんどが一人客。複数人客は2階のテーブル席に案内されていた。注文は今どきのQRコードからで少し面倒。
昼間はうな重やひつまぶし等のうなぎ料理が中心。
うなぎの上にウニ、いくら、カニ等の海鮮を載せた「うつけ丼」も推しのひとつ。夜はおつまみも増えて居酒屋風になるとのこと。

【値段】 

うな重マウンテン 4950円(税込)
(直近訪問日 2024.11.20)

【おすすめ度】
★★★★☆


2024年11月14日木曜日

小暮や

【場所】
千葉県我孫子市天王台4-2-22

【味】
うな重は、上や並などの区分はなく一種類のみと中々硬派なお店。注文を受けてから捌き始めるので時間はかかる。
この日のうなぎは静岡産「イソフラボン鰻」。養殖鰻はほとんどがオスになるそうだが、餌に大豆イソフラボンを入れる事で、身厚で柔らかく旨味成分も豊富なメスの鰻になるらしい。うなぎ界ではノーベル賞級の発見と話題になっている模様。
紀州備長炭で丁寧に焼き上げられた身は真綿のように柔らかく、ふわっとした食感にもかかわらずしっかりとした深みのある旨味が口いっぱいに広がる。脂の乗りは良いが不思議とクドくはない。
残りわずかになると食べ終わるのが悲しくなる絶品蒲焼。

【お店】
水質の悪さで知られる手賀沼も、かつては水が澄み当時「あお」と称されたうなぎは美味で知られていたそうだ。現在でも多くの鰻屋が点在し、その中でも小暮やは評価が高く、グルメサイトのランキングでも常に上位という県内屈指の名店である。
JR天王台駅から徒歩5分程。駐車場は店前と脇とで計8台分。店内はスッキリ綺麗で、テーブル席が10人分、小上がりに4名卓が2つ。カウンターも3席あるので一人客も気まずさは感じなさそう。
行列を覚悟していたが、平日のためか開店直後で先客は3組。帰る頃には満席になっていた。
有名店ではあるが堅苦しさはなく、気軽に利用できる素晴らしいお店。

【値段】 

うな重(肝吸 新香付)3740円(税込)
(直近訪問日 2024.11.14)

【おすすめ度】
★★★★★



2024年10月20日日曜日

富貴亭(ふきてい)

【場所】
千葉県佐倉市鏑木町2-7-5

【味】
蓋を開けると身厚な蒲焼がまるまる一本。タレの照りと焦げ目が食欲をそそる。箸を入れると皮目には若干弾力が感じられるものの十分に柔らかい。身は香ばしく焼かれていて、甘く濃厚な溜まり醤油系のタレの馴染みも良い。太者うなぎではあるが大味ではなく繊細。余分な脂は落とされ旨味が凝縮された美味しい蒲焼。

【お店】

チェーン店か立ち並ぶ国道296号線沿いにこぢんまりと佇む一軒家のようなお店。玄関で靴を脱いで上がる。店内も民家を改装したような素朴な造りでとても綺麗。2019年9月にオープンしたとのこと。テーブル席を中心に個室も完備されている模様。四万十産養殖うなぎを売りにしている。

【値段】 
一本重 5060円(税込)
(直近訪問日 2024.10.20)

【おすすめ度】
★★★★☆


2024年8月22日木曜日

登三松(とみまつ)

【場所】
東京都中央区銀座3-13-2

【味】
注文してからの調理時間は10分程。ある程度作り置きしたものを焼いてから提供していると思われるが味は悪くない。しっかりと深めに蒸されており、ふっくら柔らかい。余計な脂も落とされて、適度に残された後味のよい良質な脂がコク深い旨味を引出している。タレは多めにかかっているが、スッキリ薄味でうなぎ とご飯に馴染んでいる。
素朴で昔懐かしの美味しい蒲焼。

【お店】

戦後の混乱期に都内で百円うな丼を販売し、蒲焼を庶民に広めた「登亭」が経営するお店。他の3店舗と異なり登亭の名称は使っていない。

店内は二人掛けのテーブル10卓とこぢんまり。長居はせずサッと食べてパッと帰る客が多く回転は良い。レジ横にはテイクアウト客用に弁当が並べられていたので、会計時に思わずそちらも購入。夜の楽しみとする。

余談だが30年以上前、当時私が勤めていた会社の営業所の直下階に株式会社登亭の営業本部が入っていた事もあり、とても親近感の湧くお店。


【値段】
うな重 竹 4000円(税込)
(直近訪問日 2024.08.22)

【おすすめ度】
★★★★☆

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2024年8月12日月曜日

花むら

 【場所】
千葉県成田市東町85-16

【味】
身厚で食べ応えのあるうなぎは三河一色産とのこと。蒸してから焼く関東風だが、蒸しは浅めで程よい食感を残しながらも柔らかく丁寧に焼き上げられている。
脂も適度に残されていて、甘く粘度のあるタレと相まって、香ばしさと旨味が口中に広がる。味付けは濃厚だが後味は意外とサッパリな美味しい蒲焼。

【お店】

鰻と京懐石のお店。成田山公園裏手の静かな住宅街に佇む数寄屋造は高級旅館を思わせる。

案内された個室は10畳の和室で枯山水の庭付き。家族3人で贅沢に使わせてもらう。とても静かで小鳥のさえずりが心地よい。

運ばれてきた重箱の蓋の上にはミニひまわりが一輪。料理にはその季節に合った花を添えて提供しているのだそうだ。粋なもてなしにお店の品格が感じられる。


【値段】
国産うな重 4950円(税込)
(直近訪問日 2024.08.12)

【おすすめ度】
★★★★☆