2024年10月20日日曜日

富貴亭(ふきてい)

【場所】
千葉県佐倉市鏑木町2-7-5

【味】
蓋を開けると身厚な蒲焼がまるまる一本。タレの照りと焦げ目が食欲をそそる。箸を入れると皮目には若干弾力が感じられるものの十分に柔らかい。身は香ばしく焼かれていて、甘く濃厚なタレの馴染みも良い。太者うなぎではあるが大味ではなく繊細。余分な脂は落とされ旨味が凝縮された美味しい蒲焼。

【お店】

チェーン店か立ち並ぶ国道296号線沿いにこぢんまりと佇む和モダンな一軒家のようなお店。玄関で靴を脱いで上がる。店内も民家を改装したような素朴な造りでとても綺麗。
このお店は、少し前までは四万十産の養殖うなぎを売りにしていたが、現在はどこにも四万十産の表記が見当たらない。扱いが変わったものと思われる。

【値段】 
一本重 5060円(税込)
(直近訪問日 2024.10.20)

【おすすめ度】
★★★★☆


2024年10月19日土曜日

勝花

 【場所】
千葉県浦安市猫実1-3-33

【味】
これまでに何度となく訪れているが、決して飽きる事なく 行く度に新たな感動を与えてくれる。
身はふわっと柔らかいが、焼きが浅い訳ではなく 丁寧にしっかりと焼き上げられている。この絶妙な焼き加減によって、良質な脂を閉じ込め、深みのあるうなぎ本来の旨味を引出しているのだと思われる。
うなぎの素材、焼き加減、タレの味付けなど全てが高いレベルでまとまっていて 非の打ち所がない完璧な蒲焼。

【お店】
地元という事もあり、個人的に最も多くの蒲焼を食べたお店。年に1〜2回程度だが、年数を重ねると結構な回数になっていることだろう。
創業は昭和50年とのこと。店内は数年前にリニューアルされて綺麗で広々。かつてはドブ川のようであった目の前の境川も綺麗に整備され、ロケーションも悪くない。

【値段】 

特上4300円
(直近訪問日 2024.10.19)

【おすすめ度】
★★★★★





2024年8月22日木曜日

登三松(とみまつ)

【場所】
東京都中央区銀座3-13-2

【味】
注文してからの調理時間は10分程。ある程度作り置きしたものを焼いてから提供していると思われるが味は悪くない。しっかりと深めに蒸されており、ふっくら柔らかい。余計な脂も落とされて、適度に残された後味のよい良質な脂がコク深い旨味を引出している。タレは多めにかかっているが、スッキリ薄味でうなぎ とご飯に馴染んでいる。
素朴で昔懐かしの美味しい蒲焼。

【お店】

戦後の混乱期に都内で百円うな丼を販売し、蒲焼を庶民に広めた「登亭」が経営するお店。他の3店舗と異なり登亭の名称は使っていない。

店内は二人掛けのテーブル10卓とこぢんまり。長居はせずサッと食べてパッと帰る客が多く回転は良い。レジ横にはテイクアウト客用に弁当が並べられていたので、会計時に思わずそちらも購入。夜の楽しみとする。

余談だが30年以上前、当時私が勤めていた会社の営業所の直下階に株式会社登亭の営業本部が入っていた事もあり、とても親近感の湧くお店。


【値段】
うな重 竹 4000円(税込)
(直近訪問日 2024.08.22)

【おすすめ度】
★★★★☆

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2024年8月12日月曜日

花むら

 【場所】
千葉県成田市東町85-16

【味】
身厚で食べ応えのあるうなぎは三河一色産とのこと。蒸してから焼く関東風だが、蒸しは浅めで程よい食感を残しながらも柔らかく丁寧に焼き上げられている。
脂も適度に残されていて、甘く粘度のあるタレと相まって、香ばしさと旨味が口中に広がる。味付けは濃厚だが後味は意外とサッパリな美味しい蒲焼。

【お店】

鰻と京懐石のお店。成田山公園裏手の静かな住宅街に佇む数寄屋造は高級旅館を思わせる。

案内された個室は10畳の和室で枯山水の庭付き。家族3人で贅沢に使わせてもらう。とても静かで小鳥のさえずりが心地よい。

運ばれてきた重箱の蓋の上にはミニひまわりが一輪。料理にはその季節に合った花を添えて提供しているのだそうだ。粋なもてなしにお店の品格が感じられる。


【値段】
国産うな重 4950円(税込)
(直近訪問日 2024.08.12)

【おすすめ度】
★★★★☆





2024年7月14日日曜日

那古野しば福や

【場所】
愛知県名古屋市中村区名駅3-23-1

【味】
ワイルドに焼き上げられ 美しく並べられた蒲焼は、見た瞬間にその美味しさが確信できる。
うなぎ重には他のメニューよりも質の良い大振りな青うなぎを使用しているとのことで、甘ダレをたっぷりとまとい強力な火力でサクッと焼き上げられた身は柔らかく、豊かな脂の甘味は旨味に変わっていく。とても美味しく仕上がっている。
しかし、この脂とうなぎのボリューム(写真ではわかりづらいが二重になっている)、そして名古屋特有の濃厚な味付けが、食べ始めこそ感動ものだが、後半になると少しばかりキツくなる。名古屋蒲焼をいただく時は、その量と体調に注意したい。

【お店】

老舗の多いうなぎ屋業界にあって、本店の「しば福や」は創業平成30年ととても新しいお店だが、創業の翌年にはミシュランガイド・ビルグマンに認定された実力店である。「那古野(なごや)しば福や」は今年(令和6年)にオープンしたばかりの2号店。客席数が本店の2倍の約80席で名古屋駅からも近いという事で、今回はこちらを選択。

開店直後に早くもテーブル席と座敷は埋まってしまったそうだが、10席程あるカウンター席には空席があり即入店。カウンター前の焼場を見るとメディア等によく登場する店主の柴田氏が、豪快に腕を振るっており、いやが上にもテンションが上がる。

店内は白木が際立つ和モダンな雰囲気。店員さんは多少バタついてはいたが、接客も悪くはない。


【値段】
うなぎ重 5500円(税込)
(直近訪問日 2024.07.14)

【おすすめ度】
★★★★☆



2024年7月13日土曜日

しら河 名駅店

 【場所】
愛知県名古屋市西区牛島町6-24

【味】
皮目は香ばしくパリッと焼き上げられ、身からは豊かな旨味とコクが溶け出してきてとても美味しい。薬味と海苔で味変すると、濃厚さが和らぎ これはこれでまた良い。
しかし、やはりお茶漬けだけはいただけない。そもそも出汁と蒲焼との相性が良くない。せっかくのサクサク感とコクを台無しにしてしまう。個人的には、ひつまぶしを食べる時は、そのままと薬味を交互にいただくのがベスト。完成された「蒲焼」に余計な食べ方は不要であると改めて気付かされる。


【お店】

本店の創業は昭和28年。名古屋を代表する老舗で、市内に4店舗を構える。名駅店は名古屋駅から5分程離れたビルの1階にある。

開店15分前に「当日WEB順番待ち」を利用。開店後数分で呼び出しとなる。多くの待ちの客がいる中、一人客にもかかわらず座敷席に案内され、とても丁重な対応を受ける。そういった気配りにも名店の品位が感じられる。


【値段】
特上ひつまぶし5600円(税込)
(直近訪問日 2024.07.13)

【おすすめ度】
★★★★☆






2024年6月8日土曜日

満寿家

【場所】
埼玉県さいたま市浦和区岸町7-1-3

【味】
紀州備長炭でじっくりと燻された香ばしさと、味醂の甘味が効いたタレをまとった身は、適度な歯応えを残しながらもふっくらと焼き上げられている。
脂味も適度に残されていて食べ応えも有り。良い意味で昔ながらの素朴な蒲焼。
山椒は粒と粉の2種類。粒は香りと刺激が強過ぎで、個人的にはスッキリとした粉がおすすめ。

【お店】

江戸時代より宿場町として栄えた浦和は、かつては良質なうなぎも多く生息する水郷地帯であった。現在でも「浦和のうなぎ」はさいたま市伝統産業に指定されている。
満寿家(ますや)の創業は明治21年。高級割烹を思わせる威風堂々とした佇まいと伝統の味で、長年にわたり浦和の人々の「ハレの日」のお店として親しまれてきたそうだ。
総席数は170を超える大箱。テーブル席、カウンター席の他、大小個室や広間も備えている。
ゆっくりと腰を据えて食事を楽しむことができるお店。

【値段】
特上 5650円(税込)
(直近訪問日 2024.06.08)

【おすすめ度】
★★★★☆



 

むさし乃

【場所】
埼玉県さいたま市浦和区東高砂町8-3

【味】
宮崎県佐土原産のブランド鰻「和匠」。その中でも養殖1年以内の成長の早い新仔のみを使用しているとのこと。注文してからの調理時間は40分程度。
身に箸を入れても抵抗がほとんど感じらない。これ程柔らかな蒲焼は、今まで出会ったことがない。この身を崩す事なく焼き上げるのは、相当な技量が必要であろうと思われる。口に入れると噛まなくてもとろけて脂の旨みがほんのりと広がる。タレはあっさりとした辛口。うなぎ本来の風味をしっかと際立たせている。

【お店】
浦和は、うなぎの蒲焼発祥の地と言われており、多くの老舗うなぎ店が点在する。
その浦和の中でも最高峰との呼び声も高い名店。 行列必至のお店として知られている。
開店1時間前に現着するが既に7人が入店待ち。店が入っているマンションの通路に椅子が30脚程並べてあるので待つのは楽。しかし、開店30分前にはその椅子も既に埋まってしまい、後は路上で立ち待ちとなっていた。
この日は20分 前倒しで開店。店内は2人用テーブルが6卓とカウンターが6席。限られたスペースと人員で多くの客をさばかなくてはならず、店員さんも無駄な動きがなく、キビキビと動いている。
外には待ち客も多く、長居はせず サッと食べてパッと帰るのが粋であると思われる。

【値段】
新仔鰻重 5830円(税込)
(直近訪問日 2024.06.08)

【おすすめ度】
★★★★★




 

2024年5月3日金曜日

福家

【場所】
神奈川県横浜市中区野毛2-97

【味】
柔らかく程よく脂の乗ったうなぎは三河一色産。香ばしく丁寧に焼き上げられており、口溶けも良い。

昭和6年の創業時から継ぎ足しているというタレは、醤油が強く辛めではあるが、これはこれでお酒によく合って結果オーライ。

一品料理では、茹でた肝をわさび醤油でいただく「肝わさ」も堪能できる。


【お店】

桜木町駅の南側「野毛」。横浜随一と言われるディープな飲み屋街には似つかわしくない落ち着いた家庭的なお店。この辺りでもフグの事を「ふく」と呼んでいたらしく、店名から元々はフグ屋だったのだろうと勝手に想像しているが、現在はうなぎを中心にフグやどじょうを扱っている。

店内1階は、カウンター4席にテーブル2卓とこじんまりとしている。2階は座敷で、ちょっとした宴会も出来るらしい。

穏やかで感じの良い女将さんが切り盛りしていて、とても居心地のよいお店。


【値段】
4200円(税込)
(直近訪問日 2024.05.03)

【おすすめ度】
★★★★☆










2024年2月4日日曜日

粉名屋(こなや)

【場所】
千葉県成田市仲町389

【味】
お重に敷き詰められた一尾半のうなぎ。焦げ目の香ばしさが食欲をそそる。箸からは肉厚な身の弾力が微かに伝わるものの、口に入れるとふんわりと柔らかく口溶けも良い。タレは甘さ控えめのあっさり辛口だが、身から滲み出る甘味と旨味と相まって、とても豊かなコクを感じさせる。ほんのりと川魚の上品な風味も感じられる絶品蒲焼。


【お店】

成田山門前通りのうなぎ屋がひしめく一角のお店。リニューアルしたばかりの一階は、通りと店舗を隔てる仕切りのないオープンエアなテーブル席でペットも同席できる。二階は昔ながらの老舗感のある座敷席。どちらも通りの賑わいを感じながらも落ち着いて食事を楽しむことができる。
店内は比較的空いていて、近隣の超有名店のように入店まで何時間も待つことはないが、味はこれらに決して引けを取らない美味しいお店。

【値段】
特上うな重 5500円(税込)
(直近訪問日 2024.2.4)

【おすすめ度】
★★★★☆